図鑑No.007 スキャルピングのプロ テスタ
- 図鑑No.007 スキャルピングのプロ テスタ
- テスタのれきし
- 2005年某日 スロプロから株トレーダーへ転身
- 2006年 ライブドアショックから始まる相場
- 2007年 サブプライムローンが表面化した年
- 2008年 災厄の年、世界金融危機「リーマンショック」が起きる
- 2009年 リーマンショックから徐々に回復
- 2010年 民主党政権下での円高市場。アローヘッドの導入。
- 2011年 東日本大震災、市場は低迷状態で推移
- 2012年 アベノミクス相場の始まり
- 2013年 アベノミクス相場へ。日本株急騰。
- 2014年 日銀による追加金融緩和のサプライズ発表
- 2015年 チャイナショックの発生
- 2016年 英EU離脱決定で日経爆下げからのトランプ就任で爆上げ相場
- 2017年 日経はバブルへ、アベノミクス相場継続
- 2018年 仮想通貨バブル崩壊の年、日経は24,000円から年末19,000円へ
- 2019年 日経は年初から順調に上昇、バブル相場の強さを見せる
- テスタの手法
- テスタの名言
- テスタのエピソード
図鑑No.007 スキャルピングのプロ テスタ

今回はテスタさんを 紹介するよ。色々なメディアに出演しているので とても有名な投資家さんだね!( ˊᵕˋ )♡.°⑅
スキャルピングと言えばテスタさんと言うくらい スキャが得意な投資家さんだよ!
テスタのれきし
セミナーを開く投資家には「本当に儲けていて」セミナーを開催する投資家と、「儲けているふりをして」セミナーを開催する投資家がいる。テスタは前者だ。今でこそ色々なメディアの場に顔を出しているテスタ氏であるが、始まりは何だったのだろうか。
2005年某日 スロプロから株トレーダーへ転身
テスタは元スロプロ(スロットで生計を立てている人)だった。世間から見ればフリーターあるいはニートだ。当時はネット証券の規制緩和で個人投資家の全盛期。情報のあふれる現在と違いみんな手探りの中、トレードを始めた頃である。
そんな中でテスタはスロプロをしながら株式投資を始める。日々の変遷はテスタ自身でブログを書いているのでぜひ見て頂きたい。

テスタ氏の記念すべきブログ初投稿
初期のころはあまりいい勝率では無かったと本人は言うが、驚くほどに月の収支がマイナスになることが少ない。
2006年 ライブドアショックから始まる相場
2006年1月16日は個人投資家にとって忘れられない一日となった。ライブドアショックにより株式市場は一気に株価が下落し、堀江貴文の強制捜査というショッキングがニュースがこの日から連日メディアで取り上げられた。
この日、テスタはドリームテクノロジーズでこの下落の波を食らった。ドリテクといえば村上ファンドの原罪として有名な仕手株である。テスタはよく仕手系の株に手を出して利益をあげているのだが、この日は時間外にライブドアショックにより3連続ストップ安となる損失で終わった。
これに限らず連日の取引は当時テスタにとってかなりのプレッシャーだったようだ。毎朝、吐いてから株取引を始める日常だったようだ。ドリテクは最終的にマイナス50万円で損切となった。
この時テスタは「こういう大きな出来事が起こった時には、これまでの予想を一旦白紙に戻し、改めてこれからの予想をして、それに沿った手法にしといたほうが多分損する確率が減ります」と振り返っている。
5月になると中旬辺りから体調を崩し始め、連日の取引もマイナス収支となり始める。ついにはロスカット。デイトレード分の他中長期も含めると-235万円となってしまう。
6月にはこれを受けてを引退表明。原因となったのはシステムディ。IPOの暴落+ファンダで買いをいれた。だがその後、新興+日経の暴落が重なって下落。ロスカット時1200円前後だったが、一ヶ月以上経っても1110円という状態だ。
引退宣言後はスロットをしつつ、株のトレードは薄くしていたようだ。それでも当然のようにトレードをしてこの年プラス収支で終えている。
2007年 サブプライムローンが表面化した年
2007年、市場の地合いは決していい状態ではなく、サブプライムローン問題の影響を受けて世界的に株安となる。日経平均も年を通して-11%で終わっている。
だがテスタの取引は安定していた。この頃はまだ取引手法に関して強みを持っていなかった。テスタ本人も「今だになんの武器も無く、順張り、逆張り、買いにカラ売り。時間軸見ても、スキャにデイスイング超短期持ち越しに長めスイングと色んなことしてるテスタにはお似合いかもしれませんなw」と自虐しているが、この成績を見る限り十分の強みが見て取れる。
ちなみにテスタ氏が株取引を始めるにあたって決めていたルールがある。
それは「株始めた時からー100万になったら撤退」というルールだ。ここでいう「撤退」というのは「株の市場から一切手を引く退場」でなくあくまで「一時引く」というもの。なぜ「一時的」なのかの理由は100万ぐらいならんばって何かしたら「また貯めれる」お金だからである。
当時のテスタの株取引環境の写真も公開されている。
2008年 災厄の年、世界金融危機「リーマンショック」が起きる
地合いは最悪中の最悪の年。日経平均は7000円を割り込み、1982年以来24年ぶり安値を付けた。
テスタ氏はなんと負けることなく資産を伸ばし続ける。
ちなみにこの時代SNSはまだ発達しておらず、ブログが全盛の時代だった。テスタ氏は毎日500人以上のブログを読んでおり、その中で勝ってる人の手法、銘柄や負けている人の負け原因などを相違点を探している、毎日リアルタイムで自分が感じていた事との比較対象を行う事で相場に対する優位性を見つけようとしている。
また、投資家のむらやん氏とはこの頃から知り合いとなっており、毎日のようにチャットで会話していたようだ。このチャットメンバーは当時はまだ小口だったが、のちに億トレを8名輩出したそうだ。
10月に大きくマイナスを出して一時引退を表明するが、翌月にはすぐとり戻している。この負けに関しては「10月は取り返したいっ!って思ったから余計負けた今月は「まぁ仕方ないしいいです」って思えたから取り返せたなんというか活字にすると難しいですが実際株のトレードってのはこういうものだとしみじみ思います」と言っている。
2009年 リーマンショックから徐々に回復
この年は前年の急落の反動で一時回復を見せている。とは言うもののまだ本格的な強気相場ではない。
テスタはこの年、初めてFXに手を出したが、自分には向かないとしてすぐやめている。
ブログトレーダー仲間のこばやんが「何度も同じミスを繰り返してしまう」という記事に対して慰めと共に持論を伝えている。以下は引用。
大体そんな簡単に守れるならそもそもわざわざ「ルール」として明確化しなくても体で覚えて瞬時に、そして永遠に実行すればいいですもんね。~中略~
だからルールを守れるようにするには、いかに<ルールを破りそうな精神状態>になるような「自分の予想に反した出来事」が起きたときにそれを「経験」として蓄積し、同じようなことが起きた場合にその経験を活かして冷静な判断を下せるようにするか、その繰り返しなんじゃないでしょうか。
もちろん僕の知ってる人の中に完璧にルール守ってる人もいる気もしますが、まぁその人も最初から全部守れてたわけではないと思いますしそもそもそんな人でも極々稀有な存在で。実は勝ってる人もよくルール逸脱してたりするんですよ。
この年あたりからデイトレ、スキャが自分には合っているのではないかと言う記載が出てくるようになる。とはいえ、本人によるとまだまだ体的には合っていても、負けが多いと言っている。
2010年 民主党政権下での円高市場。アローヘッドの導入。
円高により輸出企業は低迷。民主党政権下での小幅な値動きの一年。ギリシャの経済危機が再燃した。
2011年 東日本大震災、市場は低迷状態で推移
東日本大震災により海外からの資本流入は限定される。日本株は軟調な地合いが継続。
テスタ氏はこの年、一気に資産を伸ばす。
この年の3月に過去最高の収支をたたき出した。3月の東日本大震災でメンタルをやられずに利益を伸ばしているのは流石である。取引内容を見るとある銘柄で大きく取ったというわけでは無いようだ。コツコツ、ひたすらコツコツとデイトレをする事で最高利益を出した。しかしこの利益を前にしてもドヤらずひたすらコツコツと自分の甘い所を振り返っている。
元スロプロと言う事で期待値についてもテスタはよく言及する。
期待値に対するコメント欄に対する返答では「株で何年も何千回、何万回と取引して勝ってる人っていうのは運ではないんですね。それが例えばあてずっぽで選んで一発信用全力買いで10倍なって~みたいなこともあるのが株のおもしろいところではありますけど、それは試行回数少ないから10回100%みたいなもんであってそれを何度もくりかえすのは(あくまであてずっぽで取引したとしてです)無理」と述べている。
この年、ツイッターを開始。
テストテストテスタのテスト
— テスタ (@tesuta001) June 25, 2011
8月には億り人となり、資産が一億を超える。
2012年 アベノミクス相場の始まり
日経は欧州債務問題から当初下落。しかし年末にかけて、衆議院総選挙での政権交代の期待感から上昇。いわゆる「アベノミクス相場」が始まる。個人投資家にとって待ちに待った上昇相場である。
テスタはこの年の途中休憩に入る。例によって退場宣言だ。ロットが増えたことにより自分のスキャ手法に限界が見えたことから一旦の休止だ。口座からの出金もしている・・・当然すぐ戻ってくることになるが・・・。
2億り人達成。
2013年 アベノミクス相場へ。日本株急騰。
アベノミクスや日銀による「異次元の金融緩和」により、円安が進行。長期間低迷していた日経平均はアベノミクスや円安効果で急伸した。
テスタもこの年は一気に資産を伸ばし、5億の利益を超えた。デイトレードのDVDを出したりセミナーに行ったりと、トレード以外のメディア活動も活発になり始める。
バーチャだ!という声が大きくなってくるのもこの頃からだ。ニコ生配信中に株取引をしていたエピソードでもそれがわかる。なんとこの年は5億円を稼ぎ出す。もちろん1つの取引で大きく取ったわけではなく、ひたすらコツコツである。
2014年 日銀による追加金融緩和のサプライズ発表
日銀による2014年10月末のサプライズとなった追加金融緩和発表で、株高・円安の流れが加速。
テスタはこの年もコツコツとトレードを続ける。コメント欄に対する返信でスキャの分足について答えている。
A.3分足を使用していますがこれは当時5分足とティックが流行ってたのでなんか間の3分足がかっこいいんじゃないかと思って見出して慣れちゃっただけで結局は5分足かティックがいいんじゃないかと思っています。
2015年 チャイナショックの発生
日経は順調に回復し20000円台へ回復。しかしチャイナショックにより一時17000円を一気に割り込んだ。
この年も順調。口座資金を5000万にして儲かったら出金。まけても入金は無しという企画で取引をしている。この企画では2か月ほどで最終的に76戦51勝25敗で5000万→7852万という結果となった。
この年は口座に入れる資金を数千万に絞ることでリスクをコントロールしている。また配当生活についても言及しており、株のトレード以外の不労所得について考え始めている。テスタの手法だと資産が多くなるほどにスキャで食べることのできる板の量は限られているため損失は少ない代わりに利益も少なくなる。そのためテスタはモチベーションが下がり始めていた。
本人は「株のやる気が完全に無くなってしまいそうなので生活費を超上げて3000万とかにしてやらないと死ぬ状態で無理やり頑張る作戦」と称している。が、この年の取引回数は10万回を超えていたという。もちろん全て手動でのスキャである。
効率的な資金運用のために不動産、太陽光、駐車場、REIT投資、高配当銘柄などなどについて勉強を始める。
2016年 英EU離脱決定で日経爆下げからのトランプ就任で爆上げ相場
Brexit(イギリスの欧州連合離脱)により日経は一時15000円を割るが、後半はトランプ現象で一気に2万円へ迫る。
テスタはこの年、3778さくらインターネットで手痛い負けを被る。
この年、かねてよりギリシャ危機によるビットコイン需要が増していた。急激にビットコインへの注目度が上がったことで「ブロックチェーン」「フィンテック」への投資は一気に加速。1月7日にインフォテリア、テックビューロの2社とともに国内でのブロックチェーン技術の普及に向けた協業を開始すると発表したことが買い材料となり一気に急騰銘柄となる。

さくらインターネットの株価
さくらインターネットは12月からストップ高からの乱高下、更なるストップ高と激しい値動きになっていた。これを見てテスタはスキャで参入。ここで手痛い損失を被る事になる。当時のブロックチェーン関係銘柄は殺人級の動きをしていたのだ。
12月30日 売りポジ、売り増し⇒ストップ高へ -4375万円
1月5日 売りポジ、両建てでやりくり⇒さくらストップ高 -6310円ここから証拠金のため入金ラッシュ1月6日 6万株の売り長、さくらの含み損-6639万
1月7日 6万株の売り長 さくらの含み損-6822万
1月8日 さくらはストップ高、途中買いを外したがストップ付近でギブアップ、全株両建てにするには余力が足りず2.5万株売り長。さくらの含み損は-1億283万!
この時期、テスタは血尿を出していた(比喩ではなく)。最終的にマイナス8000万で損切。
この年はこの一億の負けをこの後取り戻すが、すぐにまた一億負け。そこからの2億5千万勝ちという結果となっている。取り返すメンタルの強さが半端ではない。
この年にスキャルパーとしての自分は終わりとして、中長期投資も含めたオールラウンダーになると宣言している。
2017年 日経はバブルへ、アベノミクス相場継続
アベノミクス相場が継続し日経平均株価が高騰、1996年以来となるバブル崩壊後の最高値を記録。
テスタの利益もうなぎ上りとなった。過去最高の年間8億超え利益である。
配当目的の銘柄も順調で配当以外に含み益も大きい。
8960ユナイテッド 30株 175224円 20万 (-34)
3298インベスコ 641株 94672円 372万 (+937)
3309積水リート 20株 127140円 10万 (+13)
8975いちごリート 100株 79365円 38万 (+1)
3292イオンリート 210株 115851円 119万 (+32)
3462野村マスター 55株 169000円 33万 (-137)
トヨタ種類株 18000株 10598円 381万
3468スターアジア 30株 100000円 16万 (+32)
6178日本郵政 1000株 1200円 5万 (+10)
3470マリモ 120株 84000円 81万 (+391)
3463いちごホテル 135株 154537円 87万 (-410)
3478森ホテル 100株 143000円 60万 (+0)
年間配当予定額1222万 含み益は+164万⇒+835万
2018年 仮想通貨バブル崩壊の年、日経は24,000円から年末19,000円へ
仮想通貨取引所コインチェックから不正アクセスにより仮想通貨流出を受けて仮想通貨バブル崩壊が加速。日経は年初に24,000円へ持ち直したかと思いきや、米金利上昇による景気への影響を懸念し株安へ。
テスタは当然のように勝ち。最終7億の利益となっているが、この年は珍しく7月と12月にマイナス収支となっている。
8月以降は6033エクストリームの波に乗り、何度も回転もしてこの銘柄だけで5~6億くらいは勝っている。
2019年 日経は年初から順調に上昇、バブル相場の強さを見せる
年初にはアップル業績不安など先行きの不透明感を受けて逆イールドなどが話題になるも、米中のトランプ劇場により劇場型バブルが継続。結局24,000円へ日経は上昇して底堅さを見せた。
テスタのツイッターを見ていた人は既知の事だが、3668コロプラがこの年は強かった。これにうまく乗り利益を伸ばしたようだ。
テスタの手法
スキャ、デイトレ、スイング、中長期、配当狙い、公募増資、IPO、RIETと最近は広く株以外も含めて投資しているが、テスタといえばやはりスキャであろう。
多い時は年間で10万回の取引、一日約400回程度の取引をしている。
細かい内容はセミナーやDVDなどが出ているが突っ込んだ取引のデータは非公開だ(エッジを隠すため当然)。出版物やセミナーではメンタルが大切だという話や取引の基本を聞くことが出来る。
一日400回一時間に80回、一分当たり1.3回の取引をしている。これはテスタがスキャ全盛期で血尿を出しながら(比喩ではない)トレードしていた時期だが、この取引量から見る情報量はかなり少ない材料で判断していると思われる。
また過去の取引を見ると乱高下している銘柄を積極的にスキャピングしているため、扱うのは仕手株として話題になっている銘柄が多い。これは単純にスキャしやすいためであろう。
テスタは単純に株のランキングから変動率が高い銘柄を前日からピックアップし、登録してから次の日にスキャルピングしているようだ。スキャをする際は需給や大口の板を見て直感的に買っているようだ。
「歩み値」で買われた欄を見て、大きめの買いが入ったらそれについていく。止まったら売る。また動いたら買う、の繰り返しの様だ。逆に行ったら速攻で損切。逆指値は時間がかかるので使わない。つまり反射神経が相当良くないと厳しい。
需給の見極めは、その銘柄の板やチャート、先物価格等、複合的にエントリーポイントを判断。恐らくかなり直感的な部分になるので一言では言えない部分であろう。また常にエッジを探すべくエントリーのタイミングは日々調整しているとみられる。
使用しているソフトはトレステ、マーケットスピード、HYPER SBI、そしてT++で発注をしている。
テスタの名言
ありがとうございました。
真面目にやる意識を強く持つため今日はメガネをかけてみました。
レンズは入ってなかったんですけどね( ͡° ͜ʖ ͡°) pic.twitter.com/wfTyJP5zAG— テスタ (@tesuta001) December 18, 2019
テスタのエピソード
- 児童養護施設への寄付活動をしている
2014年に開始。サッカーボール、バレーボール、ドッジボールの3つのボールをセットで送ったのが始まりで、以降は希望を聞いて欲しいものを寄付している。ツイッターのハッシュタグ#広がれ支援の輪で見ることが出来る。
205 真盛学園さんにリクエストの
バレーボールとバスケットボールをお送りしました。https://t.co/iDopZ671Or #広がれ支援の輪 pic.twitter.com/YFp96q5qpb— テスタ (@tesuta001) November 11, 2019
日本ではまだまだ寄付という文化が根付いていない。特にテスタのように自身の名を公開の上で寄付を行うと売名行為だとしてマイナスの評価をされる不思議な文化となっている。テスタは寄付活動を一度限りの行動としてではなく、継続した日常の活動として行っている。海外と異なり寄付の税の控除機能が弱い日本において寄付をするという行為は、より献身的な取り組みと言えるであろう。
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